君に遺された恋
「ありがとうアル。僕がここを抜け出した後は、
僕が風邪気味で部屋から出られない事にでもして隠しておいてくれ。」

「はい…かしこまりました。」

「それで君は2日程経ったら、「王子が居ない」と騒いでくれればいい。
君まで悪者にしたくないからね。」


作戦を話すレグルス様の目は、完全にミラを想う目だった。

外の世界を見たいだなんて言い方せずに、
正直に「ミラに会いに行きたい」と言えばいいのに…


はぁ…


気が乗らないけど、王子の為…


私は作戦実行の3日後に備えてアイビーから普段着を借りた。
抜け出す時に王子の普段着じゃバレバレでしょ?
勿論、作戦の事はアイビーには内緒にして、
私はレグルス様のクローゼットにアイビーの服を隠した。


カチャン…

ティーカップがひとつクローゼットから出てくる。
「?」

どうしてこんなところにティーカップが?
これは…ミラにお茶を出したときの物だわ…


頭によぎる2人の姿。

レグルス様の上にまたがるミラ…
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