君に遺された恋
それから私はレグルスと同じ部屋で過ごすことを許された。

私は全身を強く打っていて、あと3週間は寝たきりだとか…。
だけどレグルスの泣き声は愛おしい。
私を励ましてくれているようで幸せだった。


コンコン
「ジオラスです。往診に来ました。」

ガチャ

「調子どうだ?」

部屋で二人きりになると口調の変わるジオラス先生。

「まぁまぁ…」

「子供、抱けねえよなその体じゃ、
ほれ、レグルス乗っけてやるよ。」


そう言うと先生はいつも、
ベビーベッドで寝ているレグルスを私の胸の上に乗せてくれて
自由に動かせない体の私にレグルスを抱かせてくれた。


「可愛いなー子供って。」

「そうね」

「…ってかトリア様、ちゃんと薬飲んでるか?」

「ええ、まぁ…」

「えらいっ!しっかり飲んで早く良くなれよ。」

そう言って先生が頭をガシガシ撫でてくれる。
レグルスは私にしがみつきスヤスヤ寝ている。


早く良くなってレグルスをお散歩にでも連れていってあげたいな…

私は少しずつ、心身ともに回復していた。
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