君に遺された恋
エルナー様の部屋で、動かないエルナー様の腕を動かしてみる…
重たい…リハビリ大変だな…
なんて思いながらジオラス先生の往診を待つ。

俺のものにならないかって…言ったよね。
凄く、真剣な目で…


コンコン
「ジオラスです。往診に来ました。」

ガチャ

「あ、先生あのっ昨日の事なんですけど…」

「何かありましたっけ?
そいじゃ早速エルナー様の脈はかりますね。」

「あの、その、俺のものにならないかって…」


私はそれが気になってつい質問してしまう。
先生は手を止めずに黙々とエルナー様の体を診察し続ける。


「トリア様?ちゃんとエルナー様の体動かしてあげてる?
このままじゃ筋肉硬直しちゃうからな…」


先生の背中を見て込み上げる気持ち。
これは恋…なのかな?

ドキドキするというよりかは
安心や信頼がそこにある。

駄目なことをすれば叱ってくれて
良いことをすれば褒めてくれる
辛いときは寄り添って助けてくれる


あぁそうか…


私、こういう人と結婚したかったんだなぁ…
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