君に遺された恋
先生が白衣を脱いでソファーにかける。
部屋のカーテンも閉め切り、部屋の電気を
ベッドサイドの小さな灯りだけにして私をベッドに座らせる。

先生が私の正面に立ち、あごを持ちあげ見下ろす。

「本当に後悔しない?」

「ええ、今引き返した方が後悔するわ。」

先生が困ったように笑うと耳元でささやく。


「声、我慢しろよ。」


心が、体がゾクゾクする。
そして熱くなるのが分かる。


こんな感覚初めて…


先生の激しいキス。
息ができないほどに深く浸入する先生の舌が
私を愛してると言ってくれているみたいで涙が出た。

そして優しい手が、私の体のラインをなぞるたび、
痺れたように体が反応して熱くなる。


先生が私の服を脱がせると、大きなため息をついた。


「綺麗な体なのにこんなに傷つけて…
痕残っちゃったな…ごめん。」

窓から飛び降りたときの傷だ。

「先生のせいじゃないよ。治してくれてありがとう。」

「ちょっとジッとしてて…」


そういうと先生が傷痕ひとつひとつにキスしてくれる。


「だめ…くすぐったい」

「その顔、初めて見た。可愛い。」
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