君に遺された恋
甘いくすぐったさに暴れる私を先生がベッドに押さえつけ
背中も、胸も、足も、腰も…全身についた傷痕にキスしてくれる。


「先生…気持ちいい。ありがと…」


私はこれまで感じたことの無い快感に身を委ねていた。


「トリア?まだまだこれからなんだけど…」

「うん…」

「俺のこと受け入れてくれる?」

「ええ、勿論よ。来て…」


ゆっくりと彼とひとつになりながら
「女」として、この上ない喜びに身体を預け
全身で愛される快感を受け止めた。


「トリア。まずい…声出過ぎ。我慢しろ。バレる。」

「ぅ…んっ…」

先生の唇が私の口を塞ぐ。


汗だくになった先生が、繋がったまま息を切らして言う。
「王子の目が覚めるまで、俺が王子の分までお前を全力で愛してやるよ。
レグルスの子育ても手伝う。
お前が寂しいときは傍に居るし、
抱かれたいときは抱いてやる。
勿論秘密の関係だけど、俺はお前を幸せにしてやりたい。」


これがずっと求めていた愛情。快感。


先生の腕の中が私の、女としての居場所になった日だった。
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