君に遺された恋
ミラは15歳。

ミラの母親はこの国でも珍しい魔女の力を持った人で、
ミラももしかしたらこれから、魔女の力を手に入れるようになるかもしれない。
望んでも魔女になれない子が殆どだが、彼女の母親は相当力が強いらしい。
そんなことを、昔ミラがこっそり教えてくれた。



王家の血筋を汚さないように。



王である父は魔女を嫌がる…
そんなことがパッと頭をよぎって表情が曇る。


「どうしたの?そんな変な顔して。」

「変?!」

「変ですよーっ!」

ミラは僕の髪をいじっていた手で、今度は僕のほほをひっぱった。

「いててっ!こらーっ!」

僕は思わずミラの手を握って制止する。
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