君に遺された恋
「だからねアル。頑張ってもどうしようもできないことは
時期が来たら奇跡が助けてくれるかもしれない。
自分にできる範囲の事を頑張ってごらん?
王子に一生懸命お茶をいれてあげるとか、
王子の服を毎日綺麗に用意してあげるとか。
きっと君にも奇跡が起きるから。」

?!私は思わず小声でたずねる。

「ちょっ!アイビー何で王子の事って分かったの?!」

「ははっ!だって顔に書いてあるよ?」

そういうと私の頭を優しく撫でてアイビーは立ち上がった。


「好きになっちゃいけないと分かってると余計に好きになってしまうよね。」

「アイビーもそんな恋したことある?」

「…どうだろうね。」


アイビーが花を摘んで私に手渡す。

「君に、どうか奇跡が起きますように…」
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