君に遺された恋
バケツに水を汲んで王様の部屋の前へ向かっている時、
ちょうど正面からレグルス様が歩いてくるのが見えた。

王様が城に帰ってすぐに会いに行くなんて本当に仲の良い親子なのね。

と、愛しいレグルス様の事を思ってほほが緩む。


でも、王様の部屋に近付くにつれ、
レグルス様の顔が青ざめているのがハッキリ見えた。



はっ…見とれてないで…掃除…
早く済ませないと…。



私は雑巾をかたく絞って掃除を始めた。

レグルス様、どうしたのかしら…
あのあとミラと何かあった?
王様に怒られるようなことしたのかな…


うー…だめだ!気になる!
だけど、どうにもならないことは奇跡が助けてくれる。

今は私のできることを一生懸命…だよね。アイビー。
< 57 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop