君に遺された恋
このまま抱きとめて居て欲しい…って…あれ?
背中が冷たい。


「うわぁあああ!」

やってしまった!
よろけた拍子に私はレグルス様にバケツの水をかけてしまっていた…!


「このくらい大丈夫だよ。」

と、にっこり笑うレグルス様。


だ、大丈夫な訳ない!
誰が見てもずぶ濡れだ。


「すみませんっ。すぐ着替えをお持ちします!!」


こんなずぶ濡れの状態で、王子を廊下に置いておくなんて無理だ!
私はレグルス様の手を引いて、近くにあった応接間に入った。

「ほんとに大丈夫だからそんなに慌てないで?」

「すぐ!!着替えをお持ちしますので!」

そう言い放つと私は廊下を全力疾走して着替えを取りに行く。
< 59 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop