君に遺された恋
早く帰らないと…
ここで血を吐くなんてできない。


「さぁて!帰ろうかなっ!」


私はできるだけ元気を装ってベッドから立ち上がると
座っているレグルスの頭を撫でた。

早く…帰らないと…

早く…早く…


目がかすむ
頭がうずく
吐き気がする
何も考えられない。


「おいで…」

レグルスが立ち上がって私の腰を抱き寄せおでこにキスをした。


会話はそこまでしか覚えていない。
後は家に帰るまで断片的に…

そう、来週も同じ時刻に約束をしたことしか覚えていない。
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