君に遺された恋
「驚かせてすまないね、君は魔女かい?お名前は?」

「はい。魔女です。シャーラといいます。」

「よろしい。採用。」

「ぇえ?!」

「ふふふ、実は応募をかけたのに全然魔女が居なくてねぇ、困ってたんだよ。」

「はぁ…でもどんなお仕事ですか?」

「この国にとって困った事象が発生したとき、君の力が借りたいんだ。」

「…と、いいますと?」

「心を変える力で人の争いごとを無くして欲しい。」

「?!それって内乱や戦争を止めるって事ですか?!」

「そういうことになるね。」

「…」

「人は愚かだよ。そして弱い。弱さを隠すために武器を持つんだ。」

「…」

「そして大切な人を失ってから後悔する。」



なんだかとても規模の大きい話だ…
私にどうにかできる問題なのだろうか。



「君の力で国を、人を守ってやってくれないか。」


しばらくの沈黙の後、
私は使命感に駆られ、腹をくくった。


今まで必要とされてこなかった分、これからは輝くんだ。
人のために魔法を使って、生きていて良いと実感したい。


「はい。王様。引き受けます。」
< 71 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop