君に遺された恋
「シャーラどうした?ぼーっとして…」

「あ、いや、エルナー可愛いなと思って」

「可愛い?!それって男として見てないって事?」

「いや、そういう訳じゃ…」


言葉を遮りエルナーが私の両手首を壁に押さえつけ
鼻が付きそうなくらい顔を寄せてくる


「ちょっ…エルナー近い…」

「俺だって男だよ?ちゃんと見て…」

「うんうん分かった、分かったから離して…」

「やだ、分かってないね。」

「エルナー…落ち着いて、ね?」


痛いくらいぎゅっと手首を握られて全く身動きが取れない。


「シャーラ、俺はお前が傍に居てくれて嬉しいよ。」

「うん…」

「俺は弱いから…お前を守る力もないけど
男として、お前を襲うだけの力があることは忘れないでほしい。」

「へ?!」


そういうと強引にキスしてくるエルナー。

「んっ…苦しいエル…ナァ…」

息する暇も無いほどに荒っぽく、繰り返し唇を重ねるエルナーは
私の知っている、弱気で優しいエルナーでは無いかのよう。
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