君に遺された恋
それからしばらくしたある晩。
私はエルナーを奪うことに決め、
久しぶりに彼の部屋の前まで来た。


コンコン
「…」

「?誰?トリアかい?」

「…」

「誰?…」

ガチャ

エルナーが内側からドアを開ける。


私は小さな果物ナイフをエルナーに向けて小さな声で言う。



「騒がないで私を部屋に入れて。」

「…シャーラ、落ち着いて…」

バタン…


部屋に入って、まず私は鍵をしめる。
途中で誰かに邪魔されてたまるもんか。

ガチャン

終始怯えた顔のエルナーがやっと口を開く

「シャーラ。本当にごめん。どうにもできなかった。」
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