君に遺された恋
ズキン…

まずい、もう吐き気がきた。


「シャーラ。こっちへおいで。」

一変して優しい彼の声。

エルナーが私の体を優しくベッドにねかせる。


「寂しい想いをさせたね。」


私の唇、ほほ、首、鎖骨…

エルナーの柔らかい唇が私の体を這うのがわかった。
あなたの指が、目が、唇が、私を愛おしいと言っているのが分かる。

私の手をとりエルナーが言う。

「優しくするから、怖がらないで…」



記憶があるのはそこまで。



目が覚めると私は、私が吐いた大量の血で真っ赤に染まったベッドに、
エルナーと2人、何も身に着けずに寄り添っていた。

とっくに日が昇り明るい。
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