君に遺された恋
「ぇ……」


エルナーから…私の記憶…が…?


「そんな顔で見ないでよ。
辛いのは分かるけど王の命令なんだもん。」


エルナーから…私の記憶が…


ズキンと頭がうずいてエルナーとの思い出が蘇る


ーー 君を初めての友達にしたい。 ーー

ーー シャーラ、俺はお前が傍に居てくれて嬉しいよ。 ーー

ーー いつまでも俺のものでいてくれシャーラ ーー


安らかなあなたの寝顔。

エルナー…本当に私を忘れてしまったの?

こんなにも一瞬で…あなたが私を愛した記憶を…無くしてしまったの…?


私は思わず眠るエルナーの肩を揺すった。


「エルナー!起きて!私よ。シャーラ。
ねぇ…忘れるはず無いよね。ねぇ…ねぇ…」

「無駄よ。昨日も今日も彼は強すぎる魔法をかけられたんだもの。
まず今日は目覚めないわ。下手すると死んじゃうかもね。
弱いんでしょ?彼。精神的にも、体力的にも。」


「あなたは何も知らないくせに…」


私は拳をぎゅっと握り、その女に掴みかかった。


「あなたなんかには、何も分からないくせに!!!」
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