君に遺された恋
幸せな…夢のような時間だった。


おでこをくっつけて2人で小さく笑う。


しかしそんな時間は一瞬で色を変える。
ミラはゆっくりとおでこを離して伏し目がちにこう言った。


「でも。この関係は秘密にしましょう?」


愛し合う事を秘密に…?
それは僕の父が…王が魔女を嫌がるから…?


「ミラ…でも…王のことなら僕が…」

「ダメよレグルス。私はいつか、近い将来魔女の力が目覚めるかもしれない。

魔女の力が出てきてしまったら…私…」


ミラが急に涙ぐむ。


「お母様が言ってた。私みたいな弱い子が魔女の力を覚醒したら

力が…暴走して…私が…私じゃ…なくなるかもって…」


「ミラが…ミラじゃ、なくなる…?」
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