君に遺された恋
エルナー  歯車
いつからだろう。


自分のことを誰かに認めてもらいたくて、

何もできない弱い「僕」を隠すように

自分の事を「俺」と呼ぶようになったのは。


俺は20歳の頃、魔女に襲われ記憶が断片的にしかない。


自分の要領の悪さと、魔女に襲われたという劣等感を抱え、
次はいつ襲われるのだろうという恐怖心を紛らわすように
俺は息子のレグルスに暴力を振るう。
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