強引同期と偽装結婚することになりました
「それより、葵。言わなきゃいけないことがある。先方に聞いたんだ。誰に日程変更を伝えたか・・・柳だそうだ」


「柳くん?柳くんが私に伝え忘れたってこと?」


柳くんがそんなことする?確かに前の彼ならまだ分からなくもない。仕事も言葉遣いも適当でやる気も感じられない。でも、今の彼は改心してしっかりと仕事をしている。

企画だって考えたりもしてた。それに私のこと、葵さんって慕ってきてくれている。


「・・・きっと忙しくて伝え忘れてたんだね」


今日、柳くんはお休みの日。明日来たらさりげなく聞いてみよう。もし、本当に伝え忘れていたならそこは許してあげよう。

柳くんにも悪気がなかったんだし。そうだ、どうせ星の湯はダメだったんだ。また違う案を考えよう。


「・・・さっき、確認したら柳 は葵に伝えたって言ったんだ。それにお前の机にメモも貼ったって言ってた」


「私が、忘れてたって言いたいの?そのメモに気づかなかったって?」


まるで優木くんが私が忘れていたとでも言っているような気がして、つい声を荒げた。私は絶対に聞いてない。


「葵、落ち着け。思い出してくれないか?メモ書きもらった覚えないか?」


「優木くんは、私を疑うの?酷いよ。最初の営業だよ。時間変更や日程変更があったら絶対に覚えてるし、すぐに先方に掛け直して確認するよ。どうして、私より柳くんを信じるの?」


「違う!本当に違うならそれでいいんだ。葵のことを信じてないわけないだろ?もし、万が一そうだったとしても、ちゃんと伝えなかった柳を責める。でも葵に否がないなら遠慮しない。柳を本気で問い詰める。辞めさせる覚悟で」
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