強引同期と偽装結婚することになりました
「公私共に最高のパートナー」
翌日、豊嶋マリンシティの営業担当者にアポを取った。すぐにでも話が聞きたいというから二日後の今日、企画書を片手に期待しつつ向かった。

それなのに、今、目の前にいる担当者の高橋さんは企画書をまったく見てくれないどころか騙されたの一言。


「まったく、trabitの優木さんからの直々のツアー依頼だと思ったら優木違い。すいませんが、この話はなかったことに」


「ま、待ってください！企画書にだけでも目を通していただけませんか？」


どうやら、先方はtrabitの優木からのアポを祐からのものだと思ったらしく、trabitの優木さんの企画ならと思ったらしい。


ところが、担当者が優木違いの私だと分かったら門前払い。祐の凄さは改めて分かったけれど、これはきつい。

でも、こんなことで負けていられない。ここは最後の頼みの綱なんだ。


「悪い。先に行っててもらえるか？必ず、後から行くから。それに葵の企画はいいものだ。俺がいなくても分かってもらえるに決まってる」


本当なら今日、祐も私の補佐として一緒にここに来るはずだった。

でも、パッケージツアーの営業先がどうしても担当者は祐がいいと逆指名してきたのでそちらに行かなくてはいけなくなった。


なので、私はここに一人で来たのだけれど、ゲーム初心者がいきなりラスボスと戦うくらい勝ち目がない。

更に、この高橋さん。さっきから言葉の節々に女性批判を感じなくもない。


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