強引同期と偽装結婚することになりました
「・・・葵?」


私に確認するように声を掛けてきた女性。小さな男の子を連れているその姿に見覚えがあってすぐに誰だがわかった。


「千鶴ちゃん・・・久しぶり」


そうか。ここは千鶴ちゃんの家から近いところだ。会ってもおかしくない。とはいえ、お互い気まずい空気が流れていて、とてもいい再会とは言えずにいた。


「こんなとこで会うとは思わなかった。何、してるの?」


「あっ、これ」


手にしていたチラシを一枚、千鶴ちゃんに渡した。

じっとそのチラシを見てる彼女。あんなに小さかったのに、あのときの子はもうこんなに大きくなっていたんだ。


祐ウサギに興味を示して風船を貰って喜ぶ姿になんだか時の流れを感じた。


「・・・これって、私でも参加できる?」


「えっ?あ、うん。もちろん。生後半年から三歳までのお子さんを持つお母さん対象で定員オーバーすれば無理だけどそれ以外なら大丈夫」


「なら今、もう予約していいかな?」


「う、うん。あ、ありがとうございます。こちらの申込用紙に記載お願い出来ますか?」
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