強引同期と偽装結婚することになりました
「いよいよ、明日ですね」


「美夏ちゃん、柳くん、本当にありがとう。美夏ちゃんのチラシと何より柳くんがあの広告を見つけてきてくれたからだよ。本当に二人には感謝してる。ありがとう」


柳くんはあれからとにかくガムシャラに働いて、近いうちにユニークツアーの発案候補になるかもと社長から期待が上がっている。


教育係が祐から変わっても未だに祐を崇拝しているらしく、目標は祐に並ぶこと、そしていつか超えること。


「私も自分が自己満足できる企画を発案します。葵さんには負けませんから」


美夏ちゃんは私に負けじと来年のユニークツアーの企画案を提出しては社長に一蹴されている。

それでもめげずに頑張る姿になんだか自分と重なって益々、応援したくなる。

二人とはいろいろあったけれど、今こうして一緒に働けるのは本当に嬉しい。


「あっ、王子様の登場ですよ。じゃ、俺たちは帰ります。明日、がんばってくださいね」


「必ず、成功しますよ。応援してます」


祐が入ってきたのと交代で美夏ちゃんと柳くんが出て行く。祐が戻ってきたということは社長も戻ってきたということ。


今日、二人は今度行われる合同企業説明会の打ち合わせに出ていた。社長、行く前からあのキャッチフレーズ使うと言っていたけど本当に使ったのかな。
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