強引同期と偽装結婚することになりました

「幸せに、なろうな」

えっ？今、なんて言った？け、結婚？！いや、そんなわけない。きっと私の聞き間違い。それなのに優木くんは私を離してくれようとはしない。


「ゆ、優木くん。あの・・・」

「ちゃんと聞こえなかったか？篠宮。俺と、結婚しないか？って言ったんだけど」


「な、何言ってるの？あの、は、離してくれないかな？」


「誰も見てないんだし、いいだろ。俺もさ、周りから結婚、結婚って言われて正直ウザかったんだよ。挙句の果てには頼んでもないのに見合い写真とか持ってくる親戚とかもいるしな。」

「見合い写真？！」

「そう。まだ25なのに、顔を合わせれば『結婚、結婚』ばかり。だからさ、俺と、結婚しないか？」

「優木くんと？」


「そう。篠宮なら知らないやつでもないし、むしろお前の良さは分かってるつもりだしな。な、それとも俺となんて無理か？やっぱりその男のことまだ好きだったりする？」


また、俺となんて無理かなんてそんな聞き方をする。無理なわけない。優木くんは本当に仕事も出来るし、優しいし尊敬している。


でも、急に結婚なんて。結婚だよ？そんな簡単に決められるわけない。