強引同期と偽装結婚することになりました
「でも、お前、まだ納得してないんだろ?なら偽装結婚のままってことだろ。なっ、だから俺と結婚するか?なーんてちょっと言ってみたかったんだよな。だって、お前らの間を邪魔するやついないからつまらなくてさ」


「は?えっ、まさか冗談ですか?」


「あったりめえだろ、俺の好みは綺麗なお姉さんでお前みたいなちんくしゃではない。ま、公私共に最高のパートナーと作り上げた企画だ。間違いないだろうよ」

社長は私と祐の両方の頭を撫で回し、お先にとヒラヒラと手を振りながら戻って行った。


「もう、社長ったら変な冗談言わないでほしいよね。一瞬、本気にしたよ」


「いや、あれは本気だろ。社長きっと、お前のこと好きだったはず。まあ渡す気はないけど」

サラッとそんなことを言われて頬が熱くなる。ドキドキした。本当、あの日以来忙しくて仕事のパートナーとしての日々。

なかなかゆっくりする時間もない上、まだ一緒には住んでいないから夫婦としての時間はお預けだった。少し甘えてみようと彼に身を寄せるとポンポンと頭を撫でてくれた。


「葵、明日、終わったらカレー食いに行こうな」


「カレー?カレーってあそこの?うん、じゃあまたチーズナンとプレーンナン半分こしようね」
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