強引同期と偽装結婚することになりました
お母さんに選んでもらった服は、ツイード素材のワンピース。袖が五分袖になっていて、切替のスカートはネイビー。トップスはベージュ。

それにグレーのハイヒールを合わせて髪型もセミロングの髪を軽く巻いてみた。

確かにいつも、こんな格好をしてるわけじゃないからやっぱり変かな。


「・・・いや、いいと思う。俺は好き。ってとにかく行くぞ」


頬が熱くなる。好きなんだ、こんな服装。ならまたしてもいいかな。

でも、優木くんのタイプってこういう清楚系なお嬢様なんだ。私とは大違い。


「あっそういえば今日、ご両親はお休みだったの?ていうか、私、優木くんの家族構成も知らないね」


車に乗り込むと彼はすぐに車を走らせた。褒めてもらえて嬉しかったのに自分が優木くんのタイプじゃないと知るとちょっと落ち込む。

それに挨拶に行くのに家族構成も知らないなんて。チラッと後ろのチャイルドシートに視線を送った。


「それもあんまり人に言ってないから葵だけが知らないわけじゃない。それにこれからは嫌でも関わってくるんだから気にするな」


そう言ってくれたけれど、気は晴れない。バタバタしていて忘れてたけど意識してみると気になるあのチャイルドシート。

一体、誰が乗るの?なんで、優木くんの車に乗ってるの?
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