強引同期と偽装結婚することになりました
「優木くん、ここ」

「着いたぞ」

「着いたぞってここ、ジュエリーショップだよね?」

ちょっと寄り道をするからとコインパーキングに車を停めて手を引かれて着いた場所は有名なジュエリーショップ。

浩との結婚が決まったときに憧れてここの指輪が欲しいと思っていたけれど、さすがに動揺してしまう。


「ほら、何、立ち止まってんだ。入るぞ。それとも違うとこがいいのか?」


「ううん。でも、さすがに指輪まではもらえないよ。結婚指輪ならファッションリングで十分だし」


少なくとも優木くんにとってこの結婚はおばあさんに見せてあげたいがための結婚。それなのに、こんな立派なお店の指輪なんてもらえない。


でも、優木くんは繋いでいた手を離し、その手は、私の腰に回され私は強引に店内へと連れて行かれた。
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