強引同期と偽装結婚することになりました
「私たちの結婚は、偽装結婚です」
次の休み、私は一人で美津子さんの家に来た。優木くんには言わずに。やっぱりおばあさんに結婚式に出て欲しい。それが私が出した答え。

でも、そのためには美津子さんを説得しなくちゃいけない。優木くんがどれだけ気持ちを伝えても首を縦には振ってくれなかった。

私に美津子さんを説得できるかは分からない。でも、やらないよりやるほうが自己満足でも納得出来る。あの時、こうしておけば良かったなんて後悔だけは、したくない。

「あら、葵さん。今日は一人?どうぞ、どうぞ」

突然の訪問にも関わらず、美津子さんは私を快く迎え入れてくれた。お邪魔しますと中に上がらせてもらう。緊張する。この前、来たときよりもずっと。


「今日は、ばあちゃんリビングにいるから。ばあちゃん、祐の婚約者、お嫁さんになる人が来てくれたよ」
< 82 / 199 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop