強引同期と偽装結婚することになりました
リビングに通されると円卓の前でテレビを見ている一人の女性。この人が優木くんのおばあさん。つまり、ひいおばあさん。
私を見て、またすぐに視線をテレビへと向けた。怖がらせないように、少しずつ、少しずつおばあさんに近づく。
「は、初めまして。私は篠宮葵と言います。祐くんと、結婚させてもらうことになったのでご挨拶に、きました」
「ばあちゃん、聞こえてる?葵さん」
興味なんて全く示さないおばあさん。美津子さんの言葉も無視してテレビに釘付けのまま。
「ちょっと、興奮するかもしれないからあっちに行こうか」
そう、美津子さんに促され、ダイニングテーブルが置かれてあるキッチンへと移動することにした。座ってと言われ、腰を下ろすと美津子さんが温かいお茶を用意してくれた。
「あんな感じなんだ。あれはまだいい方。酷い時は癇癪起こすからね。本当、無気力で話しかけても返事がないこともほとんどでね」
「そう、なんですね」
「だから、あんなばあちゃんが結婚式に出ても、不快な思いをさせるしかないんだよ」
ここに来るまでに決めた答えを覆してしまいそうなくらい、おばあさんの姿は、私が思っていたよりも酷いものだと感じてしまった。
私を見て、またすぐに視線をテレビへと向けた。怖がらせないように、少しずつ、少しずつおばあさんに近づく。
「は、初めまして。私は篠宮葵と言います。祐くんと、結婚させてもらうことになったのでご挨拶に、きました」
「ばあちゃん、聞こえてる?葵さん」
興味なんて全く示さないおばあさん。美津子さんの言葉も無視してテレビに釘付けのまま。
「ちょっと、興奮するかもしれないからあっちに行こうか」
そう、美津子さんに促され、ダイニングテーブルが置かれてあるキッチンへと移動することにした。座ってと言われ、腰を下ろすと美津子さんが温かいお茶を用意してくれた。
「あんな感じなんだ。あれはまだいい方。酷い時は癇癪起こすからね。本当、無気力で話しかけても返事がないこともほとんどでね」
「そう、なんですね」
「だから、あんなばあちゃんが結婚式に出ても、不快な思いをさせるしかないんだよ」
ここに来るまでに決めた答えを覆してしまいそうなくらい、おばあさんの姿は、私が思っていたよりも酷いものだと感じてしまった。