わたしに恋してくれないと困ります!
わが家の秘密
「……ちょっ、いいかげん離せよ。は?なに。いやに決まってるだろ。」


手を強い力で振り払われる。彼は無愛想そうなままだった顔をさらに怪訝そうに歪めた。


「…すいません。でも、それしか方法が思いつかなくて。親族のみしか知ってはいけないことなんです。それに、見ず知らずの方を不幸にするわけには…。」

「は?不幸?べつに言わないから大丈夫だよ。ほっといてくれない?」

そういうことじゃないんだってば!

「そうはいかないんです。…期限は3年。3年の間に親族になれなかった場合…命はありませんから…。」

「…はぁ、なんの冗談だよ。そんなことくらいで。じゃあな。」

彼は呆れたというように肩を軽くあげてそのまま校舎へと歩いていってしまった。

「そんなこと?え!ちょ、ちょっと!まってよ!」

慌てて追いかけたけど、姿は見えなかった。やばい。名前も知らない男の子に秘密を知られてしまうなんて。


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