アオゾラ

まぁ その俺が毎朝この家にくるってのも
理由があってきているんだけど

階段を登って右に曲がったところの奥。

「入るぞ」

着替えてたりしてたらいけないから
一応ひとこえ。
だがこいつは起きていたためしがない。

「起きるの遅すぎんだよ」

俺はぶつぶつ文句を言いながら
彼女の部屋に侵入する。

麻倉 雛乃(アサクラ ヒナノ)っていう幼馴染。
つい最近まで中学生だったやつ。
年下、今日から高1。

漆黒のロングヘアーをみていると
どうしても触りたくなる。

「雛乃」

名前を呼びながら髪を梳いていると
ゆっくりと彼女の瞼が開いていく。

「碧くん、おはよう」

「おはよう、ほらさっさと支度
入学式に遅れるのか?」

「やだ」

「千草も飯の支度してくれてるから
早く急げ」

「うん、わかった。
碧くん着替えるからでていって」

「わかってるわ」

可愛くない奴。
そんなとこがいいんだけど。
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