アオゾラ

「あら、制服似合ってるわね」

「ありがとう、ママ」

「碧くんと同じ学校いくんだーって
勉強全然してなかったのに頑張ってたもんね」

「え?そうなの?」

「ち、違う…こともないけど…」

少し紅潮した頬。
可愛いなぁ。

「おまえの学力じゃ
俺の学校入れないもんな」

「なっ…失礼な!
碧くんなんて大ッ嫌い!」

こうでも言っとかないと
理性が保てないんだよ。

あ~あ、後で慰めなきゃな。

「もー喧嘩はいいからご飯冷めちゃう」

千草がいいタイミングで
そんなことを言ってくれた。

俺は雛乃が好きだ。
でもこの思いは届かないから
伝えないし伝える気もない。

もう守れないのは嫌だ。

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