アオゾラ

ガラガラ…

「うわ、暗…」

案の定教室にいた。
教室の後ろの方で体育座りをして
…泣いていた。

雛乃の髪は乱れていて
制服もめちゃくちゃだ。

「あ、碧くん…?」

鼻声だ。相当泣いたのか…

近寄っていくと雛乃は
来ないでとか細い声で懇願する。

でもこいつは…雛乃は
俺はそんなの聞かないって知ってる。

すぐに雛乃の近くに到着すると
こちらを向いた雛乃の目は腫れていて
乱れた制服からちらちらのぞく青痣。

そして破れている無数の紙くず。

「何された?」

「言いたくない」

「言えって」

「…あ、碧くんには関係ないもん」

嘘つけ。なんでそんなことを
俺に隠すんだよ。

「もっと頼れよ」

冷えきった身体に温もりを与えるように
優しく身を寄せた。
頭を撫でてやってると雛乃は口を開いた。

「好きな人がいたの」

< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop