アオゾラ
ガラガラ…
「うわ、暗…」
案の定教室にいた。
教室の後ろの方で体育座りをして
…泣いていた。
雛乃の髪は乱れていて
制服もめちゃくちゃだ。
「あ、碧くん…?」
鼻声だ。相当泣いたのか…
近寄っていくと雛乃は
来ないでとか細い声で懇願する。
でもこいつは…雛乃は
俺はそんなの聞かないって知ってる。
すぐに雛乃の近くに到着すると
こちらを向いた雛乃の目は腫れていて
乱れた制服からちらちらのぞく青痣。
そして破れている無数の紙くず。
「何された?」
「言いたくない」
「言えって」
「…あ、碧くんには関係ないもん」
嘘つけ。なんでそんなことを
俺に隠すんだよ。
「もっと頼れよ」
冷えきった身体に温もりを与えるように
優しく身を寄せた。
頭を撫でてやってると雛乃は口を開いた。
「好きな人がいたの」