片思い
しばらく話していたので

私は


トイレに行きたくなった。


海辺のトイレは薄暗く


いかにも


お化けが出そうで、気持ち悪い。


私は


怖い話や、場所が大の苦手だ。


いつもなら


直ぐに付いて来て貰うところだ。


が…


なかなか切り出せずいた。


限界だ…


「硝、トイレに行きたい。」


「直ぐそこに有るで!!」

「う…うん…。」


「どないしたん?!」


「……。」


「もしかして、美嘉怖がりなん?!」


「だって〜!!」


「行くぞ!!」


そう言って…


硝は付いて来てくれた。

「直ぐ傍に居てるから、行って


おいで。」


私は


素早く済ませ


硝の元に走って行った。

「怖かった〜!!」


「美嘉は可愛いな。」


と、言いながらニタニタ笑った。


「そのイヤな笑いは何なん!!」


「いいこと聞いたから、地元に


帰ろう!!」


と、硝が言った。


「え?!」


「もう、帰るん?!」


「次んとこ行くねん!!」


硝の


わくわくした表情を見ながら


私は


イヤな予感がしていた。


車に戻った。
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