久瀬くんは〇〇恐怖症
「…なにか言いたいことあるのか?」

「え?」

久瀬君、鋭い。

なんでわかったんだろう?

「なんだよ?」

「いや、えーと…」

聞いてもいいのかな?

でもせっかくの機会だし、

聞いてみようかな…

「こんなこと聞いていいかわからないんだけど、
久瀬君ってその、なんで女性恐怖症なの?」

そう言って微かに俯くと、

ずっと目の前で鳴っていたパチン、という音が止まった。

「久瀬君…?」

そう言って恐る恐る顔を上げると、

久瀬君はホチキスを留めるのをやめて

じっと自分の手を見つめている。

あ…

やっぱり聞かないほうがよかったよね…
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