久瀬くんは〇〇恐怖症
_____そうしてその日の体育の時間。

チラッ…

「…ゆーうっ、また久瀬君見てるけど??」

「うっ…」

バスケットボールを抱えながら、

夕実の指摘に肩をすくめる。

「なんで見てるだけなの?
もっとぐいぐい行きなよ」

「ぐいぐいって…」

あの女子の集団の中に突っ込んでいけと?

そんな自殺行為絶対できない。

「好きなんでしょ?」

「そりゃ…
…って、私そのこと言った?」

そう慌てて夕実に問いかけると、

夕実はいいや?と言葉を続ける。

「言ってないけどわかるよ、
優雨は特にわかりやすいしね」

うっ…!

< 162 / 293 >

この作品をシェア

pagetop