久瀬くんは〇〇恐怖症
「わかりやすい…?」

「うん。
好きならもっと積極的にならなきゃ」

「う、うん、わかってるけど…」

どうやってこう、

ぐいぐい行けばいいのかわからないっていうか…

そう思って俯いていると

夕実は再び口を開いた。

「なにか行動起こさないと、他の子に取られちゃうよ?」

「え…?」

夕実の言葉に顔をあげると、

夕実は久瀬君がいる方に顔を向ける。

つられるようにそっちを見ると、

久瀬君がバスケの練習をしながら

女子に詰め寄られそうになるのを

必死に避けているのが見えた。

確かに…

久瀬君ももしかしたら、ほんとにもしかしたら

女性恐怖症克服しちゃって、

一生懸命アピールする

可愛い子を好きになっちゃって、

彼女とか…作っちゃうかもしれない…
< 163 / 293 >

この作品をシェア

pagetop