久瀬くんは〇〇恐怖症
なにが違うとか、

どう違うとかそんなのはわからない。

けど…

和樹からパスされたボールを受け取って

再びドリブルしていく。

…あの笑顔を見てると守りたくなる。

側にいてもっと話がしたくて、

けどいざその場面になると頭が真っ白になる。

チームメイトにパスをして、

再び下梶に視線を送る。

…あいつは"女子"だけど、怖くない。

あいつは…俺にとって"特別な女子"だから。

あいつが言ったような、友達としてじゃなくて、

なんというか

言葉に表せないけど、ただ…

パサっ…

『きゃー!!!!』

ただ…大切な…

友達と話している下梶を見つめながら

なぜか高鳴る鼓動を感じて、

和樹が納得したような表情をしたのには気づかなかった。
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