久瀬くんは〇〇恐怖症
優雨side

その日の夜。

「優雨、お前はさ、久瀬のことどう思う?」

和樹の問いかけに

ガシャッと洗っていたお皿をシンクに落とす。

「ちょっ、割れたか!?」

「わ、割れてないっ、危なかった…」

そう言ってお皿を慌てて救出して

動揺した心を落ち着かせるように

そのお皿を懸命に洗う。

…「どう思う?」ってどういう意味?

私が久瀬君のこと好きってこと

勘付かれたりとか…

いや、あの和樹に限って絶対ないはず。

それなら…

「た、大変そうだよね、イケメンってばれちゃったうえ
みんなは久瀬君が女性恐怖症って知らないし…」

そう言うと和樹ははぁ…と大きなため息をついて

呆れた目で私を見る。

「そーじゃなくて」

「え?」
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