久瀬くんは〇〇恐怖症
そうして…

「お、終わったね」

「多かったな。
あれ全部一人でやるつもりだったのか?」

「う、うん、まあ…」

そう言ってははは…と乾いた笑いをこぼす私…

って、そうじゃなくて、

せっかく久瀬君に会って、

更に手伝わせちゃったわけだから、

せめて謝罪と、お礼を…

「…く、久瀬君、手伝ってくれてありがとう。
あと…」

ごくっと唾を飲み込んで、

なんとか表情が崩れないようにする。

「…昨日…ごめんね。ちょっとイライラしてた。久瀬君に当たっちゃったりして、ほんとにごめんなさい」

そう言って頭を下げた私に、

久瀬君の視線が降り注ぐ。
< 243 / 293 >

この作品をシェア

pagetop