久瀬くんは〇〇恐怖症
そう答えてから洗面所で

念入りに身支度を整え、

今度は真正面から久瀬君に向き直る。

「夕飯すぐ作るね」

「ああ、ありがとな」

そうして夕食を取っている最中にふと思う。

…あれ?

なんか…

カレカノ感、ゼロ?

目の前で相変わらずな端正な顔が

私の料理をどことなく嬉しそうに食べているのを見て

幸せを感じたけれど…

ここにカレカノ感はあるのだろうか、

いや、ない。

これでは友達止まりな気がする…

それに…

チラリと再び久瀬君を見る。

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