久瀬くんは〇〇恐怖症
お兄さんの言葉に再び久瀬君がキレそうになったとき…

「オムライスなら優雨が作れるぞ。なあ?」

「え、いや、作れるけど…」

いいのかな?

そう思っていると…

「…頼む」

「え?」

久瀬君がそう言って私を見る。

わ……わ…!

「わかった、任せて!
キッチン借りるね」

「ああ、悪いな」

「ううんっ」

私はそう言って

久瀬君の言葉に笑みを浮かべると

キッチンに飛び込んでいく。

初めて久瀬君に頼られた…

そもそも目が合ったのも初めてな気がする。

さっきのことを思い出して

ついふふっと笑いがこみ上げる。

そうしてふぅっと息をついて腕をまくった。

よし、頑張って作ろう〜!

私はうんっと頷いて

早速冷蔵庫の中を確認し出した。
< 58 / 293 >

この作品をシェア

pagetop