久瀬くんは〇〇恐怖症
久瀬君からちょっと離れる。

「久瀬君、大丈夫?」

「あ、ああ…」

久瀬君はそう言って

フラフラと立ち上がり、再び歩き始める。

ごみ捨て場に到着してゴミを捨てて、

再び元来た道を辿っていく。

「久瀬君って、夕方になると女性恐怖症が和らぐのかと思った」

不意にそう言うと

久瀬君がわけがわからないというふうに振り返る。

「まさか。なんでそんなこと思ったんだ?」

いや、だって…

「さっき久瀬君、歩調緩めてたでしょ?
歩いてるとき私2メートル以内にいたのに大丈夫みたいだったから」

そう言うとぎくっというふうに再び前を向く久瀬君。

…??
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