少しだけ嘘つきな世界。
そんな光希とまた深く関わるようになったのは中3のちょうど受験生のとき。
塾の帰り、小腹の空いた俺はコンビニに立ち寄った。
軒下に自分と同じくらいの女の子がぼーっと立っているのに気付いた。
そして、中に入ろうとすると、それが光希だということに気付いた。
「…光希?」
「…あっ、裕介…」
光希を久しぶりに近くで見ると随分と大人っぽくなっていて少しドキッとしたが、すぐに疑問が浮かんだ。
「なんでこんな寒い中外にいんの?誰か待ってんなら中にいれば?」
「あ、いや、そうじゃなくて…」
そのとき、ぐぅ、とお腹のなる音がした。
「わっ、私じゃないよ…!」
そう言いながら光希が目をやった方向を見ると小さい女の子がしゃがんでるのが見えた。
「おなかしゅいた」
その子はポツリと言った。