少しだけ嘘つきな世界。
「こえ、おいしぃ」
「あら、よかったわぁ」
「すみません、上がらせてもらうなんて…」
「いいのよ、小さい頃からの仲じゃない!最近裕介も光希ちゃんと話せてなくて寂しそうだったし…」
「母さん」
「あら、口滑らしちゃったわ、ほほほ」
そう言って台所のほうに向かった母さんを軽く睨んだ。まぁ、あながち嘘じゃないんだけど。
見過ごすわけにも行かないと思った俺はコンビニからそう離れていない家に連れて行くことにした。
光希は申し訳ないと断っていたが妹の方が、ご飯、という言葉に反応して俺から離れようとしなかったため、しぶしぶついて来た。