現実世界で捕まえて



 
「絶対大丈夫だよ。連絡してね」

「うん」

社長の高級車に乗り込んだ桜子ちゃんを励まして、私は車が見えなくなるまで会社の前で見送った。

私のトンデモ行動に周りは引きまくり、上の人達は焦ってたけど社長は違った。

楽しそうな顔を見せてくれたので、これはイケると感じてしまった。

感じた通り
社長に桜子ちゃんの話をすると「それはいかん。病院まで送ろう」って言ってくれたので、私は給湯室まで戻って桜子ちゃんに説明し、信じられない顔をする桜子ちゃんを社長の車に押し込んだ。

これで大丈夫。

神様にお願いしたから
てるちゃんも元気になるはず。

あぁよかった。

ありがとう神様。

もう一度空に向かって感謝して、会社に入ろう思っていると

後ろに死神が立っていた。

「あと2つですから」

私にそれだけクールに言い

会社に戻って行く。


わかってるよ

そのくらい。

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