陽だまりのなかの僕ら
ぐっ、と喉がつまった。
いま、これをこらえなければ、大声で泣き叫んでしまいそうな。
すぐにでもおうちゃんに抱きつきたくて。
あの頃の私に、戻りたくて。
言葉にもつまった。
「―――・・・なんでもないよ。ほんとに。ただ、いろいろ思い出しただけ。」
台本を読むみたいに、淡々と私は告げた。
それでもおうちゃんは、私に向かって、そっか、って笑う。
もっと、怒ってくれてもいいのに。
いつだって、おうちゃんは優しい。
でも、その優しさが今は辛い。
もっと、自分の感情を出してくれたって、いろんなこと言ってくれたっていいのに。
ほら、むかしみたいに。
思いきり、笑いあえたらなんて。
そんな理想は、はじけて。
きみは、私と違う空を見ていた。