陽だまりのなかの僕ら

ビー玉みたいに、大きな粒を、ぽろぽろ肌につたえていた。

じわじわと、えぐられるような気持ちになって。

おうちゃんを追いかけるけど、おうちゃんは離れていく。泣いている。

闇夜が、おうちゃんを、包んでく。

「おうちゃん!!おうちゃん・・・!!」


手を伸ばすけど、いつもみたいに、手を伸ばしてくれることはない。

ただ、ただ、泣いている。

なにか、言ってる・・・?

ぱくぱくと、唇を動かすおうちゃん。



「・・・もう、つらいよ。」



心臓がドクンと鳴った。

つらい?

「・・・つらいならっ、私が、話聞いてあげるからっ!!」

精一杯力を込めて、大きな声で、おうちゃんに私は叫んだ。

おうちゃんが、また、なにか言う。


「もう、おそいから、だいじょうぶ」


もう、おそい?


「遅い?遅いって、どういうこと?!ねぇ、おうちゃん・・・」



そこで、私の夢は途切れた。


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