陽だまりのなかの僕ら
第1章
頼りになる委員長
うだるような暑さの夏の日。
ジリジリと日差しが照りつける午後のこと。
「七瀬さーん、このプリント、職員室までお願いできるかなー?」
名前を呼ばれ、詩麻は振り返った。
そして、パタパタと駆け寄る。
その足音が廊下に小さく響いた。
「うん!喜んで。服部くんはもう帰って大丈夫だよ。私、ひとりで日直の仕事やっておくから!」
ニコッと笑って、服部くんがひらひらと弄んでいたプリントを受け取る。
「おお、ありがとう、丁度彼女とデートだったんだ。さんきゅ。」
服部は微笑んで、回れ右。
手をひらひらさせて、そのまま、走って行ってしまった。
それを見送ってから、詩麻は小さく呟く。
「これを、職員室までって言ったよね・・・」
そのままプリントを握りしめて、職員室まで小走りで行った。