陽だまりのなかの僕ら
第3章
変わる僕らは
「・・・し、詩麻・・・急にどうしたの」
明らかに動揺している隆貴。
やがてじんわりと頬が赤く染まる。
「・・・ただ、寂しかったの。だから、人のぬくもりが欲しくて。」
私は両手で隆貴のほほを包んだまま、笑った。
隆貴の片耳についたピアスが月夜にキラリと光る。
「・・・そっか。」
やがて平静を取り戻した隆貴は、私のほほを包みかえした。
「・・・!」
男の人なんだ、とよく分かる、手の筋。
改めてこんなことをされると、少し緊張する。
・・・小さい頃は、こんなの何とも思ってなかったのに。
どうしてこんな自分になってしまったのか。
不思議で、たまらない。
「・・・詩麻も、女の子になったんだね。ううん、もう、立派なレディーかな?」
そう私に言って、柔らかく笑う隆貴。
「・・・隆貴も、だよ。」
やがて私は隆貴を包んだ手を自分の膝におろした。
そして、隆貴も手をおろす。
「・・・さ、リビングに戻ろう。いくら夏だからって、こんな所にいたら風邪ひいちゃう。」
「・・・そうだね。」