陽だまりのなかの僕ら
第4章

ココロの記憶



つかの間の休日も終わり、今日からはまた学校。

私は少し重い足取りで、学校へ向かった。

「う〜・・・」

まだ私は、『恋』という言葉に悩まされている。

私にとっておうちゃんはお兄ちゃんみたいな存在だと思ってた。でも、藍実曰くそれは違うらしくて。

こう、胸がぎゅっと苦しかったり、ヤキモチを妬いたり、ドキドキしたりするのは、それは恋なんだって・・・。


「ん〜・・・でも・・・」

私はひとり頭を抱えた。

そして信号にさしかかる。

そこでまた物思いにふけることにした。


夏のじとじととした空気が、私にぺたぺたとまとわりつく。
制服が汗で私の肌にべったりと張り付いていた。いちいち大きくなったり小さくなったりする蝉の声には、イライラさせられた。


巨大なエアコンとかつけてくれないかな・・・


そんな馬鹿みたいなこと考えながら、私はただ、信号が青になるのを待つ。


「あっ、詩麻ー」

そう名前を呼ばれ、誰だと思って振り返ると、

「あ、そ、壮・・・」


< 46 / 107 >

この作品をシェア

pagetop