陽だまりのなかの僕ら
第4章
ココロの記憶
つかの間の休日も終わり、今日からはまた学校。
私は少し重い足取りで、学校へ向かった。
「う〜・・・」
まだ私は、『恋』という言葉に悩まされている。
私にとっておうちゃんはお兄ちゃんみたいな存在だと思ってた。でも、藍実曰くそれは違うらしくて。
こう、胸がぎゅっと苦しかったり、ヤキモチを妬いたり、ドキドキしたりするのは、それは恋なんだって・・・。
「ん〜・・・でも・・・」
私はひとり頭を抱えた。
そして信号にさしかかる。
そこでまた物思いにふけることにした。
夏のじとじととした空気が、私にぺたぺたとまとわりつく。
制服が汗で私の肌にべったりと張り付いていた。いちいち大きくなったり小さくなったりする蝉の声には、イライラさせられた。
巨大なエアコンとかつけてくれないかな・・・
そんな馬鹿みたいなこと考えながら、私はただ、信号が青になるのを待つ。
「あっ、詩麻ー」
そう名前を呼ばれ、誰だと思って振り返ると、
「あ、そ、壮・・・」