陽だまりのなかの僕ら
「あはは、呼び捨てで呼んでくれて嬉しいよ。」
ああ、笑顔が眩しいです・・・
壮もだいぶ汗かいてるなぁ・・・暑いもんね。
「・・・偶然だね。でも、壮の家ってもっとあっちの方だよね?信号、近くにあるんだから、そこから行けばいいのに。」
壮は核心を突かれた、と言うような顔で、私をみて苦笑した。
「んー、気まぐれ。あっち人いないから、寂しくって。」
そう言って、頭をかいてみせる壮。
なーんか怪しい気もするけどなぁ・・・。
それに壮は前、言ってくれたよね・・・?
『なんか俺の家の前に女子が集まってきてさ、毎朝だよ?!それでホント困るから、いつも家の裏道使って来てるんだ。だから、信号渡るなんてもっての外だよ。』
まあ、この際それは聞かなかったことにする。
なんとなく、事情がありそうだ。
「・・・じゃ、信号も青だし、行こう?」
「うん、そうだね。」
ちょっと、っていうか相当な違和感・・・
壮と並んで歩くと、同じ高校の人には軽く野次を飛ばされ、他校の人にはキャーキャー言われ。
歩きづらいよ・・・
「・・・気にしなくていいよ。いつもの事だから。・・・まあ、野次は初めてだけど。」
そう言ってちょっと笑ってみせる壮。
私の周りにはあったかい人がいっぱいいるなあ・・・